君にたくさんのありがとうを




神代くんが病室に運ばれてから、私もそこへと足を運んだ。


酸素マスクを繋げられて眠っている神代くん。


静かな病室内には、救急車にいる時と同じ、ピッピッという音が鳴り響いていた。


神代くんの心臓が動いてる。


それを聞くと安心することができた。


神代くんの予知夢だった死んでしまうという未来は回避できたんだ。


神代くんが未来を変えたんだ。


ベッドの隣に置かれた丸椅子に座る。


眠っていても綺麗な顔つきだ。


今日も“詩織”と呼んでくれた神代くんの笑顔を思い出す。



「神代くん……」



早く目を覚まして。


そして、私の名前を呼んで。


あなたを無くしてしまいそうになって、やっと答えが出たの。


私、神代くんのことが好き。


好きだから。


だから、お願いだから目を覚まして。


静かに頬に涙が伝った。