「か、神代くんは!」
「今は落ち着いてるから大丈夫。あなたも落ち着いて」
同じ救急車に乗っていた救急救命士の人に背中をさすられながらそう言われた。
意識はないものの、心臓はしっかり動いてると言われた。
ただ、出血が酷いから急いで病院に向かっていると。
ただただ早く病院に着くことを願った。
神代くんが無事であることを願った。
本当は私が轢かれて死んでしまうはずだったのに……
何故神代くんはあそこにいたんだろう。
今日はみんなとカラオケに行くために一緒に帰っていたはずなのに。
神代くんは自分で言った“俺が絶対に守る”という言葉の通り守ってくれた。
でも、だからって神代くんが死んでしまっては意味ないよ。
言ってたじゃん。
お礼は守ってから言ってよって。
神代くんが目を覚ましてくれないとその言葉も言えないよ。
「神代さーん、大丈夫ですからね。頑張りましょうね」
救急救命士さんがそう声をかけるのに、神代くんからの返事は無い。
ただ繋がれた機械からピッピッという音が一定の感覚で聞こえるだけだった。



