「神代くん!神代くんっ!!」
「し、おり……」
弱々しく神代くんが私の名前を呼ぶ。
「おい、まだ意識はあるぞ!」
「救急車はまだか!」
周りの人は慌てふためいていた。
どうしよう……私のせいで神代くんが。
「ごめっ、ごめんなさいっ、神代くんっ」
「謝らないで……詩織は、大丈夫?」
「バカ!大丈夫だよ!私じゃなくて、自分の心配してよ!」
どうみたって、誰が見たって、神代くんの方が重症なのに、こんな状況にいても私の心配をしてくる。
頭から血を流しているのに……
膝を擦りむいたくらいの私を心配する必要なんてない。
「お願い、死なないで、神代くん」
「だい、じょうぶ……あぁ、でも体が思うように、動かないや」
見たことがないくらい弱々しい神代くん。
早く、早く誰か、救急車を。
それからの記憶は曖昧だ。
周りにいた人に慰められながらも、何度も神代くんの名前を呼んでいた気がする。
ハッとしたのは、救急車の中だった。



