君にたくさんのありがとうを




天気はあまり良くはないけれど、夏が徐々に近づいているからか気温は暖かい。


雨が降らなうちに早く家に帰ろう。


生徒玄関へ着くと、昨日のこともあってか雨が降らないか心配する声がする。


確かに心配になるよね。


その気持ちはすごくわかる。


だから私も早く帰りたい。


私は足早に学校を出た。


通り慣れた帰り道。


見通しのいい道路に出て、信号待ちをする。


学校の最寄り駅まであと少し。


ここからも駅は見えている。


電車に乗ってからは家も駅近にあるおかげですぐに帰ることができる。


なんとか天気がもっているうちに帰ることができそうだ。



「しおりー!」



車道側の信号が赤になり、もうすぐ歩行者信号が青になるという頃。


名前を呼ばれた気がした。


私のことを詩織と呼ぶ神代くんも今頃鎌田くん達と一緒だろうし、私では無い誰かのことだと思った。