授業を受けていると、朝は晴れていたのに曇り空になってきた。


今日も雨が降るんだろうか?


神代くんは何も言っていなかったけれど……


でも、毎日予知夢が見られるわけじゃないんだっけ。


前に一度そんなことを言っていた気がする。


それから放課後になるまで、雲は厚くなってきたものの、雨が降ることはなかった。


今日も傘を持ってきていなかったから良かったと一安心する。


引き出しに入っていた教科書類をカバンの中にしまい、帰る身支度をする。



「詩織ー」



待ってましたと言わんばかりに、ちょうどいいタイミングで神代くんから声をかけられた。



「何?」


「一緒に帰ろ───」


「颯馬!今日カラオケ行こーぜ!」



神代くんの声に被さるように鎌田くんの声が聞こえた。


どうやらグループのみんなでカラオケに行くようだ。



「いや、俺……」


「せっかくだから桜庭さんも一緒にどう?」



こちらに近づいてきた鎌田くんにそう誘われた。