光舞う、言ノ葉たちよ

私たちの住むアパートの近くには、川が流れている。

そこに行けたら、もしかしたらもしかするかもしれない。


「でも今冬だよ。水冷たくないかなぁ」


何故かよそ行きの服に着替えたひかるが、んーっと大きく伸びをした。


「冷たいかも」

「そっか。でもあかりがいれば温かいね」



いきなり何を言い出すのだろう。


「わたし、冷たいよ」

「生きてるんだから温かいじゃん」


少しだけ、ひかるの口調が強まった気がした。


「あ、どうせなら綺麗な姿で見つかりたいから、ジャージじゃなくてワンピースにしたらどう?」


でも、それに疑問を感じる前にそう言われ、着たばかりのジャージに手をやる。

そっか、死んだ時にジャージ姿で発見されたら恥ずかしいよね。


「分かった。着替えるね」

「髪の毛も巻いてさ、メイクもしちゃおうよ。俺も顔洗うから」


冬用の温かいワンピースに着替えた私とひかるは、揃って洗面所に向かった。