光舞う、言ノ葉たちよ

「なら、明日ピザ食べに行くか。それで明後日はラーメン。これで後悔はないよね」

「待って、胃もたれするから1日空けたい」

「分かった」


それは、自然な流れだった。


「どうせならさ、全財産使ってから死ぬのも良くない?俺ハワイ行ってみたいんだよね」

「そんなお金あると思ってんの」

「ないかも。じゃあ稼ぐから、待ってて」


今日で何もかも終わらせるはずだったのに、どうして私たちは“未来”の話をしているんだろう。


「じゃあ、高級マンション住みたい。一酸化炭素中毒じゃなくて、飛び降りる」

「んー、飛び降りもさ、それじゃなくてバンジージャンプにするのはどう?あかりが叫ぶ姿見てみたいかも」

「最低」

「俺も一緒に叫んであげるから」


目の前を流れる川の水は、真っ黒だった。

そこに反射して煌めく黄金色の月は、まるで長い長いトンネルに現れた出口みたいで。


つみれを口に入れながら、わたしは更なる提案をする。


「映画も見たい。来週公開のやつ」

「良いよ。一番乗りで行ってみようか」

「ポップコーン食べたい」

「キャラメル味ね。知ってる」