「あーあ。燐が泣かせた」 「え、俺?」 「うん。どうにかしとけよ」 「…俺が?」 「うん」 しょうがねーなあ。 「ほら、エンちゃんおいで」 泣きじゃくる赤ん坊をあやすように、もう一度私に優しく触れた燐は それから少し離れて 「一服しよう、俺と」 ちょいちょい、と私を手招いた。 その言葉に大きく頷けば、燐は満足気に笑った。 「───早く泣き止めよ」 「、うん」 「あのガキ起きる前に」 部屋を出る直前。 どこか冷たい口調でミオがそう言って 私はそれを、背中で受け止めた。