溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 そんなところが、私は大好きだ。

「ごめんね、せっかく言ってくれたのに……断っちゃって。」

「いいのいいの! あたしも強要したくないし、菜花が嫌なら行く気も全くなかったしさ!」

「そ、そっか……本当に、ありがとう。」

 香耶ちゃんの優しさが身に沁みて、じーんとしてしまう。

 嬉しくなって微笑むと、香耶ちゃんは何を思ったのか困ったような笑みを見せた。

「だけどね菜花……変な奴に騙されないように気を付けてよ。」

「? う、うんっ。」

 変な奴……? 誰のこと言ってるんだろう……?

 そう思ったけど、気にしないでもいいのかなと自己完結して聞かなかった。



 えっと確か……卵と牛乳と、ひき肉だったよね……。

 放課後になって帰ろうとした時、お母さんからお買い物のメールが来ていた。

 うっかりなお母さんはよく、買い物忘れをする。

 今日だってハンバーグをしようとしたらしいけど、冷蔵庫に食材がなくて断念したらしい。

 「絶対に明日するから、食材買ってきて……!」とお母さんのお願いを叶える為、香耶ちゃんと別れて近くのスーパーマーケットに足を運ぶ。