溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

「嫌がってるでしょ? というか、強要すること自体おかしいと思うんだけど。」

 菜花を自分の背に隠し、男共をきつく睨みつける。

 はぁ……本当、菜花はいろんな奴に好かれて困る。

「とっとと失せろ。」

 菜花に聞こえないくらいの小さなドスが利いた声で言うと、男共は怯んだように逃げていった。

 だっさ……。

 悪態を吐くように心の中で吐き捨て、何度目なのか分かるはずもない息をおもむろに吐く。

 ……って、呑気にしてる場合じゃない。

 今ここには菜花がいるんだから、早く離れないと……。

 ……離れないと、我慢が効かなくなる。

 せっかく菜花と会えたのに……そんな気持ちは抱くが、一生菜花と会えなくなるのなら我慢すればいい。

「せ、先輩っ……。」

 ヤバい、な……。

 不意に菜花の声が聞こえて、心臓が締め付けられるように痛む。

 菜花の悲しそうな声色を聞くだけで、こっちまで辛くなる。

 今すぐに菜花を抱きしめ、誰にも見られないように閉じ込めたい。

 ……ダメだ、考えだしたら止まらない。