溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 や、やだっ……!

 男の人に抵抗がない事と、庵先輩以外にはあまり触ってほしくない気持ちが相まって、硬直してしまう。

「あ、あの……は、離してくださっ……」

「いーじゃん別に。実は俺らね、ずっと藤乃ちゃんのこと狙ってたんだよね~。一緒に遊ぼうよ。」

「い、嫌ですっ……!」

 男の人の言葉に反論して、離してもらおうと力を入れる。

 だけど、私の力が弱いのか全然びくともしない。

 恐怖で足もすくんできてしまい、立つのが辛くなる。

 震えも出てきていて、頭も十分に回転させる事ができない。

 だ、誰か、助けて……っ。

 自分じゃ、どうにもできない……っ。

「……君たち、何してんの?」

 ……っ、えっ?

 心の中で叫んだと同時に、私の腕から男の人の手が離れた。

 そして次の瞬間……思わぬ人の背中に隠れる事になる。

 ……せん、ぱい?

「嫌がってるでしょ?というか、強要する事自体おかしいと思うんだけど。」

 私を男の人たちから見えないように背に隠し、淡々とした口調で告げている……庵、先輩。