……って、まただ。

 気付けば、同じような事を考えている。

 今先輩は何してるのかな、とか、どんな風に過ごしてるのかな、とか。

 些細な事が気になって、それだけで頭が埋め尽くされる。

 私……やっぱり重たい女、なのかな……。

 何回もした自覚をまた繰り返し、私は意味もなく息を吐いた。



 いつも通り教室に入り、香耶ちゃんと挨拶を交わす。

 でも今日の香耶ちゃんは、何だか様子が変だ。

「菜花~、おはよう~!」

「お、おはようっ……って、香耶ちゃん? 何でそんなににこにこしてるの?」

 香耶ちゃんはいつもの無邪気笑顔じゃなく、何か裏がありそうな笑みを浮かべている。

 ぎゃ、逆に怖いよっ……!

 香耶ちゃんの意味深な笑みは今までに何回か見た事があったけど、今はその比にならないくらいの笑みだ。

 怖くなって、少しだけ香耶ちゃんから距離を取る。

 その時、向こうからやってきた市ヶ谷君に挨拶された。

「あ、藤乃さんおはよう。」

「お、おはよう……。」

 昨日の事もあるから、何だか気まずい……。