「? ……分かり、ましたっ。」

 何だろう……?

 疑問を抱きながら、彼についていく。

 彼とは面識がないから、何で呼ばれたのか分からない。

 わ、私何かしちゃったとか、かな……?

 そんな考えが脳裏を掠めるけど、何かまずい事をした記憶もない。

 うーん……まぁ、聞いてみたら分かるかな。

 軽い気持ちで割り切って、何の躊躇いもなく彼に言われるがままになっていた。



 ……そして、今に至っている。

 何を言われるか分からなかったから身構えていたけど、そんな事を言われて拍子抜けしてしまう。

 でも、まさか告白だなんて思わないよ。

 「付き合ってください。」という彼の言葉は、決して浮ついた気持ちで言ったものじゃないと思う。

 その証拠に、彼の瞳は凄く真剣で不安で揺れているから。

 さっきよりも頬を赤く染め、恥ずかしそうにしながらも私を見据える彼。

 彼の様子から、罰ゲームでも何でもない事を何となく悟る。

「ごめんなさい。」

 だけど……私はあなたとは付き合えない。