……私は本当に、友達に恵まれている。

 私のことをここまで分かってくれるのはやっぱり……香耶ちゃんだけかもしれない。

 こんな親友がいて、私は幸せ者だ。

「ありがとう、香耶ちゃんっ……!」

 泣きそうになりながらも香耶ちゃんの手を握り、精一杯のお礼を伝える。

 満面の笑みで言うと、香耶ちゃんは同じように微笑んでくれた。

「うん、やっぱり菜花は笑ってなきゃ!」

 そう言って、わしゃわしゃと私の頭を撫でてくれる。

 先輩のことを忘れるなんてできないけど、ずっと落ち込んでても仕方ないよね。

 香耶ちゃんが言ったように新しい恋っていう手もあるんだろうけど……私にはまだ早いや。

 私は私のペースで、頑張ろうっ……。

 静かに決意を固め、その後は香耶ちゃんと美味しいケーキをめいっぱい堪能した。