溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 俺の言葉に彼女は、ぱあっと顔を輝かせた。

「だったら……あたしと付き合って?」

 やっぱり、告白だ。

 恥ずかしそうに、でも獲物を狙っている視線を向けてきている彼女。

 そんな彼女に、俺は優しく微笑み返した。

「ごめんね、それはできない。」

 というか、他の女と付き合う気なんてない。

 俺は菜花一筋だし、菜花しか愛せない。

「えっ……どうして!? 藤乃さんとは別れたんでしょ?」

「確かにそうだよ。でも、君と付き合う気はないから……ごめんね。」

 段々とイライラしてきて、きつい口調に変わってしまう。

 まぁ……他の女と付き合ったとしても、父さんの言葉があるから無理だろうけど。

 平常心をまだ保ち、にこっと微笑んだまま言う。

 そうすると彼女は、あろうことか俺の手を掴んできた。

「あたしなら絶対、藤乃さんよりも幸せにできるよ! だからお願い、付き合って?」

 ……は?

「……何、言ってんの?」

「え……。」

 彼女の言った事が瞬時に脳裏を駆け巡り、ドスの利いた声が出てくる。