溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 その声に反応して、面倒だなと思いながら視線を向ける。

 そこには、頬を若干赤らめた女子生徒が立っていた。

 はぁ……またか。

 何となく、これから起こる事が分かる。

「どうしたの?」

「ちょっと話したい事があって……来てくれない?」

 ……面倒だ。

 どうせ告白でもされるんだろう。雰囲気からして、何となく察せる。

 俺はいつも人と体よく関わりたいから、誰にでも平等に接している。

 だからボロを出さないように、一応承諾した。

「分かったよ。」

 さっさと終わらせて、さっさと愁人に愚痴ろう。

 菜花以外に興味なんてないから、関わるだけ無駄かもしれないけど。

 そう、思いながら。



 誰も来ないであろう校舎裏に連れてこられ、彼女の言葉を聞く。

「藤乃さんと別れたんだよね……?」

「……うん、そうだよ。」

 何でその事、知ってんだよ。

 どうせ誰かが噂していて、それが広まったんだろうけど……合っているから否定するのも変だ。

 それにこうして口にしていないと、菜花と別れたという自覚が持てない。