溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 何を、考えてるんだ。

「父さんが俺の恋愛事情に口出ししないで。会社の事もこんな突然言われたら、動揺するに決まってる。」

 というか、そんな事できるわけない。

 菜花は俺の全てだ。菜花と会えないのなら、死んだほうが良い。

 だけど、父さんは顔色一つ変えずにもう一度言ってきた。

「会社の跡継ぎとして一人前になるまでは、その人とは会わせない。分かったな。」

「……っ。」

 そう言えば父さんは、仕事人間だったな……。

 もっと普通の父さんが欲しかった……そう思っても、もう遅い。

 父さんの言葉なんて、気にしなくても良い。無視しよう。

 こんな言葉だけで俺を縛れると思ったら、大間違いだ。

 ……なのに、父さんの思う壺にはまってしまった。

 父さんは俺がまともに話を聞かなかったからGPSをつけ、会社で雇っているSPに俺を見張らせるようになった。

 隙を見ようと思っても、監視の目があるから下手に動けない。

 父さんのことだから、菜花と会おうとしている事がバレたら本当に会わせてもらえなさそうだ。