溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

「は、はいっ……。」

 まだ何も理解してないような表情、でも微笑んで答えてくれた菜花。

 そしてまた、自覚をしてしまう。

 ……可愛すぎる。俺以外の目に触れないようにしたい。

 自分は、独占欲が強いという事に。

 菜花も俺以外見えないようにしたい。俺に溺れてほしい。

 ……菜花がいないと、生きていけない。

 それなのに、今更会社を継げと言われても賛成する気にならない。

 俺は菜花を可愛がりたい。ずっと愛でていたい。

 俺のはっきりした言葉に、父さんは頭を抱えている。

 でも、これで良い。

 そう思って割り切った……時だった。

「お前……確か交際している人がいるんだよな。」

「……それが、何?」

 嫌な予感がするのは、気のせい?

 ……いや、きっと気のせいじゃない。

 自己完結をして父さんの言葉に、身構える。

「会社を継がなければ、その人と金輪際関われないようにするぞ。」

 …………は?

 父さんから言われたのは……死刑宣告とも取れるものだった。

 こんなの……脅しじゃ、ないか。