これ以上黙ってたら、ダメだよね……。

 香耶ちゃんがこんなに優しくしてくれているんだから、私も頑張らなきゃ。

 そう思って自分に喝を入れ、私はゆっくりと昨日の事を話し始めた。



「……菜花、あたし今から篠碕先輩どついてくる。」

 私の話を聞いてくれた香耶ちゃんの第一声は、それだった。

 その言葉に、驚いて慌てて香耶ちゃんを止める。

 ええっ……そ、そこまでは良いよっ……!

「だ、大丈夫だよっ。何となく原因は、分かってるから……。」

 私が、ダメだったんだよね……。

 だから香耶ちゃんがそこまでしなくても、私は大丈夫だ。

「大丈夫じゃないでしょ!? 菜花はこんなに先輩のこと想ってたのに、別れを言ってくるなんて……篠碕先輩の神経が心配になるわ。」

「で、でも……私がダメダメだったから、先輩はそう言ってきたんだよ。だから先輩に、悪いところなんてないよ。」

 弁明するように口走り、先輩のことを思い出して悲しさがこみ上げてくる。

 自分の首を絞めてるような気になって、はぁ……と息を吐きだした。