すると次の瞬間、菜花は大粒の涙を零した。

「あ、ありがとう、ございますっ……! 私もずっと、この先も先輩と一緒にいたいですっ……!」

 俺に抱き着き、そう言ってくれる菜花。

 それだけで俺は、天にも昇るような気持ちになった。

「そんなに泣いたら、目腫れちゃうよ?」

 大きな瞳から流れている涙を拭い、名前を呼ぶ。

「菜花。」

 そう呼ぶと、菜花はすぐに俺のほうを向いてくれる。

 澄んでいる純粋な瞳に、俺が映っている。

 ――もう絶対に、離さない。

 そんな決意を込めるように、菜花の唇にキスを落とした。