彼氏としては困るけど……菜花が幸せそうに笑ってくれるなら、これ以上嬉しい事はない。

 菜花を縛るような事なんてしたくないから、ある程度は我慢する。

 それに……。

「美味しいっ……。」

 ふにゃりと微笑む菜花を見るだけで、嫉妬なんか飛んでいくから。



 映画館にも連れて行って、一緒に菜花の好きなアニメのものを見た。

 デートプランを練っていた時に、菜花の好きそうなやつが上映されていると知った。

 だから喜んでもらえるかもしれないと思って、連れて行く事にした。

 俺はあんまりアニメは見ないけど、このアニメは面白かった。

 いかにも菜花が好きなふわふわ系のアニメで、見ているこっちが癒される。

 俺は、キラキラした瞳で映画を見ていた菜花に癒されてたけど。

「すっごく面白かったです!」

「それなら良かった。」

 上映後にそう言ってもらえて、心の底から安心した。

 結構長い時間のものだったし、特に起伏もない映画だったから飽きられるんじゃないかって思ってたけど……菜花からそう言われて、連れてきて良かったと思えた。