溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

「香耶ちゃん本当にメイク上手ね~! おばさんも見習いたいわぁ~。」

「わっ、お母さん!」

 気付けばお母さんも私をまじまじと見ていて、ちょっとだけ恥ずかしくなる。

 でも、香耶ちゃんにプロデュースしてもらった事で大きな自信がついた。

「菜花、凄く可愛いわよ。これなら庵君もイチコロなんじゃないかしら?」

「えへへっ、ありがとうお母さん! 香耶ちゃんもありがとう! こんなに変われるなんて思ってなかったから、驚いちゃった。」

 私が満面の笑みを浮かべて香耶ちゃんにお礼を言うと、香耶ちゃんは少しだけ頬を赤く染めて視線を下げた。

 もしかして、香耶ちゃん照れてるのかな……?

 香耶ちゃんが照れる姿なんて、久しぶりに見たかもしれないっ。

 だけどその直後、香耶ちゃんが私の両手を握った。

「今日のデート、めいっぱい楽しんできてね! 何かあったらすぐにあたしに連絡する事! 分かった?」

「うん、分かった!」

「それならよし!」

 あっ、もうこんな時間……!

 香耶ちゃんに元気よく返している時に時計が視界に入り、すぐに我に返る。