溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 香耶ちゃんの言葉に、佑樹君は苦笑いを浮かべている。

 あ、相変わらず香耶ちゃんは佑樹君のことを嫌ってる……。

 佑樹君も香耶ちゃんのことは苦手そうだし、どうしたら二人が仲良くなれるのかな……?

「菜花はあ、た、し、の! なんだから!」

「……少なくとも、八千代のじゃないと思うけど。」

「うるさいっ!」

 ……でも、もしかしたら二人は気が合うかもしれない。

 何だか、似た者同士って感じがするから。

「ふふっ。」

「菜花、何笑ってるの!」

「ご、ごめんね。二人が仲良さそうにしてるから、嬉しくって。」

「はぁ!? 市ヶ谷とはぜーったいに仲良くなんかならないから! 勘違いしないで、菜花……!」

 そ、そうなのかな……?

 香耶ちゃんはこう言ってるけど、二人は仲良くなれるんじゃないかな?

 けど、きっとこう言ったら香耶ちゃんに怒られちゃうかもしれない。

 そう思い、私は心の中に閉じ込めておく事にした。



 四時間目の終了を告げるチャイムが鳴って、私は急いでお弁当箱をスクールバッグから取り出した。