溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 だから私は、友達として佑樹君と仲良くなりたい。

 これからも、仲良くしてほしい。

 おこがましいかもしれないけど、私はそうしたかった。

「私のこと苗字じゃなくて、下の名前で呼んでほしいな。あっ、嫌なら良いけど……」

「……ありがとう。じゃあ、菜花ちゃんって呼んでいい?流石に呼び捨ては図々しすぎるし。」

「うんっ!」

 佑樹君は気を遣ってくれたのか、そう言ってくれた。

 私のわがままだけど、男の人に呼び捨てされるのは……庵先輩だけが良い。

 佑樹君の言葉に大きく頷き、にこっと笑みを浮かべる。

 その途端、香耶ちゃんが噛みつくように佑樹君を睨みつけた。

 私はというと……香耶ちゃんに正面から抱き着かれ、また身動きが取れなくなってしまっている。

「市ヶ谷、デレデレしない! 菜花に許してもらえただけでもありがたく思いなさい! あたしは生涯許さないけどね! この腹黒ストーカー野郎! 菜花の半径十メートル以内に近づかないで!」

「あはは……そう言われても、今は何も反論できないや……。」