溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

「し、識さん骨折してたんですか……!?」

「あー……うん。ドジしちゃったみたいで。」

 は、初めて知った……。

 この前電話をした時、そんな素振りなかったのに……。

 まさか、骨折してただなんて。

 大丈夫なのかな、識さん……。

 そう思うと同時に、先輩の心情を察すると納得せざるを得ない。

 確かに思い返してみれば、ある日を境に先輩と会う事がめっきり減った。

 その時から先輩は、会社を継ぐ為に頑張ってたって事だよね……。

「それと、会社を継ぐまでは菜花に会うのを禁止されたんだ。父さんは仕事人間だから、きっといろんな手段を使って俺を監視してる。その事も相まって、別れるっていう選択しか取れなかった。本当に、ごめん。」

「先輩が謝る事じゃないです……! 私、またこうして先輩の近くにいれられるだけで……凄く嬉しいですから。」

 そういう事、だったんだ……。

 先輩の立場を考えれば、胸が締め付けられたように苦しくなる。

 ……でもそういう事なら、今はどうなんだろう。

「あの……私今、先輩の傍にいて良いんですか? 監視があるって……。」