先輩のことでくよくよしてても仕方ない……そう思っていた矢先の事だった。

《明日からしばらく、送り迎えできそうにないんだ。ごめんね。》

 突然そんなメールが来て、一瞬驚いてしまう。

 今までこんな事がなかったからきっと、取り乱したんだと思う。

 急に、どうしたんだろう……?

 先輩がこう言ってくるなんて思ってなかったから、少しだけ悲しいと……そう思ってしまった。

 でも、何か理由があるんだよね。

 理由なしに先輩が突然こう言うなんておかしいし、きっと何かがあるんだ。

 先輩は二年生だし、大学の事も考えなきゃいけないし……うん、きっとそう。

《分かりました。私のことは気にしないでください!》

 急いで文字を打って、先輩に送信する。

 するとすぐに、《ありがとう。》という短いメッセージが送られて来た。

 そのメッセージだけでも、何故かほっとしてしまう。

 大丈夫、だよね……。

 自己暗示をかけて、自分自身を奮い立たせる。

 何を心配しているのか自分でも分かってるはずなのに、理解を拒んでいる。