溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 でも……聞かなきゃ。

 先輩の苦しいそうな声、聞きたくない。

 私がそう返事をすると、先輩はお礼を言ってから話し始めてくれた。

「ありがとう。じゃあ、話すね。」

「は、はい。」

 改まって言われ、体が硬直したのが分かる。

 まだ私は、怖がっているんだ。

 だけど、そんな自分に勝たなきゃいけない。

 先輩は一呼吸置いてからゆっくりと、真実を告げてくれた。

「菜花、この前裏掲示板に貼られてた写真……知ってる?」

「……っ、は、い。」

 やっぱり、その事……。

 ビクッと体が反応してしまい、声も震えてしまった。

 少しだけ、手も震えてきている。

 そんな私に気付いた先輩は、優しく頭を撫でてくれた。

 けど……それと同時に言われた言葉に、驚かざるを得なかった。

「あの写真の中の女の人は……兄さんの彼女なんだ。」

「…………えっ?」

 識さんの……彼女?

 確かに以前、識さんには彼女がいるって教えてもらった。

 でも私は識さんの彼女さんには会った事がなかったから、どんな人なのか分からない。