「菜花、また明日ね。」

「はいっ……!」

 私は毎日、こうして先輩にお礼を言っている。

 しつこいと思われるかもしれないけど、感謝の気持ちは大事だってお母さんに教えられてきた。

 だから絶対、言うようにしている。

 ……先輩は私と付き合ってて、本当に良かったのかな。

 先輩の背中を見送りながら、ふっと考えた。

 先輩から告白してくれたとはいえ、私はつまらない人間だ。

 いつ飽きられて、別れを告げられてもおかしくない。

 そんな心配しても、きっとどうにもならないだろうけど……時々、考えてしまう。

 不釣り合いな私が先輩と一緒にいて、良いのかな……。

 ……って、ネガティブな気持ちになっちゃダメだよね。

 私は先輩のことが好き。私が初めて好きになった人だから、尚更。

 先輩がどう思ってるのかなんて私には分からないけど、きっとこう思うこと自体先輩に失礼だ。

 先輩の彼女として、堂々としていよう。

 私が先輩に釣り合うようにもっと努力すればいい話だし、今悩んでも仕方ない。