「ひどっ! あたしそんな怖い目してたっ!?」

「うん……。ちょっと怖かった……。」

「即答!?」

 何か言いたげな香耶ちゃんにまた、申し訳ないけど笑みが零れる。

 ふふっ、久しぶりに笑った気がするなぁ……。

 先輩といた時はいつも心の底から笑えていたけど、最近は全然だった。

 だから少しだけ、気持ちが落ち着いて物事を冷静に考えれるようになった気がする。

 でも、先輩を忘れようっていう意識だけは離れない。

 だって、そうしなきゃ……先輩は幸せになれないから。

 先輩がいなくても、大丈夫にならなきゃ。