そんな大きな声で言わなくても……。

 でも、香耶ちゃんがオーバーリアクションをした理由も分かる。

 私も、まだ割り切れてないよ。

 できるのなら、許されるのなら……先輩に愛を伝えたい。

 あの女の人に「先輩は私のです!」って、言ってしまいたい。

 だけどそんな事しても……もう先輩は振り向いてくれない。

 だったら、望まないほうが良いんじゃないかって思ったんだ。

「いいんだ。きっともう先輩は私のことを好きにはなってくれないし、あの女の人とお似合いだよ。だからね、代わりに先輩を私なりに応援しようって考えたから。先輩のことは諦めるって決めたの。」

「だけど、菜花はそれでいいの!?」

「……うんっ、これでいいんだ。」

 香耶ちゃん、今まで応援してくれてありがとう。

 香耶ちゃんの気持ちを無下にする形になっちゃったけど、これからも友達でいてほしいな。

 あはは……こんな言葉言ったら、一生会えなくなるみたいな雰囲気になっちゃいそう。

 一人でノリツッコミをして、少しでも気分を紛らわせようと顔を上げる。