先輩からの連絡をブロックし、期待をしないようにする。

 こうやって対策しておかないと……もしかしたらって、期待をしてしまうから。

 ……これで、いいんだ。

 先輩との繋がりを自分から遮断してしまって、後悔をしてしまいそう。

 それでも……私は先輩を応援したいから、大丈夫。

 先輩が幸せになれば、それで……っ。

「うぅっ……。」

 頑張って割り切ろう……そう思うっているのに、涙はさっきよりもかさを増している。

 だけどすぐに拭って、頬を勢いよく叩く。

 パチンッと甲高い音が鳴って、喝を入れられた気になった。

 ……よしっ、大丈夫。

 先輩を想って泣くのは……やめるんだ。

 諦めるって、決めたもんっ……。




 その後はちゃんと授業に戻り、四限まで受けた。

 お昼休憩になり、焦ったように香耶ちゃんが私の元へ来てくれた。

「菜花……大丈夫なの?」

 心配そうな表情と声色をしている香耶ちゃん。

 大丈夫……うん、もう大丈夫だ。

「うんっ、大丈夫だよ。」

 できるだけ大きく元気な声で言って、これ以上の迷惑をかけないようにする。