溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 先輩にはやっぱり、誰よりも幸せになってほしいなぁ……っ。

 先輩の隣にいられないのは、この世の何よりも辛い。

 それでも、それ以上に……先輩への気持ちが大きかった。

 庵先輩、私を好きになってくれて……ありがとうございました。

 一度でも先輩の彼女になれた事、嬉しかったです。

 私は……先輩の恋を応援したいから、手を引きます。

「いや、だよ……っ。」

 ……この選択は、一番したくなかった。

 最後の最後まで抗って、この運命から逃れようとした。

 ……もう、抗いきれないけど。

 震えた声で最後の抵抗をしたけど、何も効果はない。

 ……あるわけ、なかった。

 チラッとスマホを見て、先輩から何かメッセージが来ていないかを確認する。

 ……やっぱり、来るわけないよね。

 トーク画面は私の言葉ばかりで、先輩からの言葉は映っていない。

 それを見て虚しさが積もったように心に冷たい風が吹いて、ようやく決意を固めた。

 ……私も、成長しなきゃ。

 先輩、幸せになってくださいね。いつまでも、大好きです。