溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 あはは……ダメだな、私。

 香耶ちゃんは悲しそうに眉の端を下げ、視線を下に向けている。

 きっと香耶ちゃんは、私のことを励ましてくれようとしている。

 ……こんなに心配かけちゃうなんて、親友失格だ。

「香耶ちゃん、話聞いてくれてありがとう……。」

 私は精一杯のお礼として、満面の笑みを作ってそう言った。



 ううっ……ちょっとまだ、頭痛いかも……。

 数日休んで熱は引いたけど、若干頭痛が残っている。

 だけどこれ以上学校を休んだら、授業に追いつけなくなるっ……!

 それだけは絶対に嫌だから、頭痛薬を飲んで様子を見る事にした。

「まだ休んでてもいいのよ? 菜花は頑張り過ぎだから、いっぱい休まないとダメなほうなのに……。」

「ううん、大丈夫だよ!行ってきます!」

 不安そうに顔を曇らせているお母さんに微笑みを浮かべて、大きな声で玄関を出る。

 頑張りすぎって……私、何も頑張れてないよ。

 頑張ってるのは、お母さんのほうだよ。

 なかなか休みが取れないお父さんの分も私を甘やかしてくれて、家事仕事全て完璧にこなしてしまう私の自慢のお母さん。