溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

 わっ……香耶ちゃんの目に光が入ってないっ……!

 この瞳は何か大きな事をしでかす前の合図で、この殺意のこもった瞳で香耶ちゃんはいろんな人を押さえつけていた事もあった。

 だ、だから姉御だなんて言われてたのかな……あはは。

「香耶ちゃん……私と先輩はもう、無関係なんだよ? だから私がどうこう言える問題じゃないし、先輩の恋路に口を挟みたくないよ……。」

 私が悲しんだって、先輩には関係のない事。

 完全に接点がなくなったんだから、私と先輩が関わる事もない。

 香耶ちゃんを鎮める為に口早にそう言って、同意を求めようとする。

 けれど香耶ちゃんは私の意見を覆すように、こう口に出した。

「確かにそうだけどさ、普通なら菜花に別れようと思った原因くらい伝えるでしょ? それがないって事自体最低なの! 前も言ったけど菜花は先輩を咎める事もできるし、怒っても誰も文句言わないんだから!」

 ……そ、そう言われると何も言い返せない。

 香耶ちゃんが言った通り、先輩からはまだ別れた理由を教えられてもらってない。