溺愛したい彼氏は別れても、溺愛をやめたくない。

「ご飯食べれそう?」

「う、うん……多分、食べれるよ。」

「じゃあ持ってくるわね、ちょっと待ってて!」

 お母さんは急いで私の部屋から出て行き、部屋の扉をパタンと閉めた。

 その時に体温計を落としていったらしく、表示されていた体温の確認しておく。

 38.5度……意外と熱ある……。

 体温計をベッドサイドテーブルに置いて、痛む頭を抑えながら私は再び横になった。

 着替えてシャワーを浴びずに寝ちゃったから、風邪をひいちゃったんだと思う。

 雨は私が帰った時より勢いを増していて、パチパチと音が鳴っていた。

 流石にこの雨の中そのままでいたら、熱くらい出しちゃうか……。

 自虐するように笑みを零し、さっきの夢について思いを馳せる。

 先輩のことを考えすぎちゃって、先輩との思い出が夢に出てきた。

 馴れ初めや先輩の大好きなところが映像のように流れてきていた夢だと思い出し、何となく頬をつねってみる。

 力なくつねったからか、痛みは感じない。

 でも虚しさが心の中に生まれ、無意識に布団のシーツを引っ張って頭から被った。