でもどうしてか……彼とちゃんと向き合いたいって思った。

 先輩の彼女になってからは、楽しい思い出しかない。

 毎日の登下校やお昼の時間は当たり前だけど幸せで、これ以上嬉しい事はないと思っている。

 先輩とたくさんいろんなお話もして、デートもした。

 数えるほどしかしてないけど、先輩にはたくさんの幸せを分け与えてもらった。

 キスはした事ない。でもその分言葉とハグで愛を伝えられて、単純な私はそれだけで嬉しかった。

「菜花ー……ぎゅーって抱きしめても、いい?」

 甘えたな先輩も。

「俺の彼女に触らないでくれる? 鬱陶しい。」

 少し怖い時もあるけど、私を守ってくれる先輩も。

「ほんと好き……。誰よりも愛してる。」

 とろけそうなほど私に愛をくれた、先輩も。

 どの先輩も大好きで大好きで、離したくない。

 離したく、なかったよ……。

 幼い頃からの理解者は香耶ちゃんだけだったけど、先輩もメンタルが弱い私を優しく包み込んでくれた。

 脆いメンタルの私はちょっとの事で泣くから、面倒な子だと思われているはずだ。