純×恋(じゅんれん)

「そんなこと,無いでしょ。俺はずっとこうだよ」

「違う!」



純の名前にピクリと反応した恋。

けれどすぐに冷静さを取り戻し,真優に反論した。

その恋に負けず劣らず,真優も強く否定する。



「いい?! 私がもし可児純なら,話しかけた時点であんたは食べる箸を止めてるの。そして次には絶対微笑を浮かべてる」



勝手に解説し始めた真優の言葉を,恋は話し半分で聞いた。



「よく聞きなさい恋! 寂しいのが,さっさとおさらばしたいのが恋だけだと思うなよ……! 折角作った料理を,他の女思い浮かべながら食べられる私の気持ちも,少しは考えなさい!」



ペシャリと叱られて,恋は黙る。



「……俺が,なんだって?」



ふふんと言ってやったり感を醸し出して恋の言葉を待っていた真優に,恋が発したのは斜め上。

今はそこじゃないと,また真優のこめかみに青筋が増えた。



「ぼーっとするくらい寂しんでしょ?! カレンダー見てたかと思えば視線飛ばして。毎日毎日女々しいのよあんた! もうほんっとやってらんないわ! 私だって遥がいいのに!」




うわ~んと子供のように泣き出す真優に,恋は困ったように眉を寄せて。



「なに? 真優,あいつのこと好きなの?」

「そうだけど! 何か悪い?!」

「いや,別に。ふーん」



結局また自身の思考に沈んでいく。

(寂しい? 俺が…?)

すとんと腑に落ちて,恋は泣きじゃくる真優を眺めながら,大嫌いなにんじんを1口含んだ。

うげ,と顔をしかめる。

そんな恋を,近くで純が笑った気がした。

確かに。

うん,と恋は頷く。

ーちょー逢いてェ