「・・・・・・成功したね」
「えっ?」
「私の気を引くって作戦」
「せいこう・・・?」
「うん、成功したよ。私あれから、奏のこと諦めようって必死だった。・・・・・・でも、全然諦められなかったの。ずっと、いつも私の中は奏でいっぱいだったよ・・・・・・今も。」
気づいたら、私の口からぽろぽろと想いが溢れていた。
「え、・・・・・・今も?」
「うん。・・・私、今も奏のことが好き」
夕方の少しひんやりとした風が吹いて、サーっと公園の木々の葉を揺らす。
「っ、」
目の前の整った顔が、驚きで目を見開いたまま固まっている。
「・・・ま、まじ?」
「うん、本当だよ」
真っ直ぐ目を見てそう言った。
その瞳は、信じられないとでも言っているようにゆらゆら揺れていた。
「っ、・・・・・・じゃあ、俺たち、ずっと両想いだったってこと?」
そう言っている本人は徐々に顔を赤らめた。
「・・・そうなるみたいだね」
半分勢いで想いを伝えた私も、落ち着いてくると、奏につられて顔が徐々に熱をもっていくのがわかった。


