「鈴。こっち向いて」
まだ目の前に立っている奏を見上げると、真剣な眼差しが私を捉えた。
「俺、・・・鈴が好きだ」
「・・・・・・えっ」
「本当は俺、ずっと鈴のことが好きだった。半年前も、今も」
「うそ・・・・・・」
「嘘じゃない」
まわらない頭で必死に理解しようとする。
え?
奏が、私のことを好き?
彼女がいるのは嘘で・・・
私の気を引きたかっただけ・・・
・・・てことは、ずっと、両想いだったってこと?
「鈴?」
「・・・奏。・・・私・・・奏が彼女できたって言った時、本当にショックだったよ」
頭の中はまだこんがらがってるけど、思ってることを口にしていく。
「うん・・・マジで最低なことして鈴を傷つけた・・・・・・本当にごめん」
そう言って頭を下げる奏。


