「いや、二人で。・・・嫌?」
「嫌ではないんだけど・・・、さすがに、二人ではちょっと・・・・・・ごめん」
そう言うと、十也くんは立ち止まった。
私たちは大通りに出ていて、車道には帰宅ラッシュの車がたくさん走っている。広い歩道には帰路に着く人がパラパラと歩いていた。
「あのさ、・・・・・・水瀬と、まだ連絡とってたんだな」
急に奏の名前が出てきて、ドキッと胸が鳴った。
「ああ、うん・・・」
「別れたんじゃなかったっけ・・・、アイツ、アメリカにいるんだよな?」
「うん。そうだよ」
私が返事をした後、十也くんは目線を少し下げた。


