結局、お昼の時間には十也くんに話を切り出せず、帰宅時間になってしまった。 まだ付き合ってるフリは継続中なため、十也くんと帰ることになっている。 私は広い玄関の端で、一人そわそわしながら十也くんを待っていた。 はっきり言わないとね・・・。 がんばれ、私。 「鈴、ごめん、お待たせ」 「あ、うん、大丈夫だよ」 「じゃあ、帰るか」 足を進めながら隣を見ると、いつもクールな十也くんが、なんだか楽しそうに見えた。 「十也くん、何かいいことあったの?」