ブーッブーッ
テーブルに置いていた私のスマホが着信を知らせる。
「奏だっ、ちょっと電話出てくるね」
「っ、」
「ほーい」
蘭ちゃんは食べながらいつものように返事してくれて、十也くんには無言で見送られた。
あっちはもう夜なんだよね。
日に照らされたテラスを見ると、いつもそれを忘れそうになる。
今日もちょっとでも長く話したいな。
そう思ってテラスに出た。いつもこの時間に電話がかかってくることが多いから、学食のテラス側の席を狙って座っているんだ。
「もしもしっ」
「鈴、今大丈夫だった?」
「うん、大丈夫だよ」


