「鈴」
「え?」
「え?」
蘭ちゃんと私はふたり揃って同じ反応で、近くに来て私の名前を呼んだ人を見上げた。
「ごめん、急に。付き合ってる・・・のに、苗字で呼んだら変だなと思ってさ」
「・・・ああ〜、それも、そうだね・・・。うん、大丈夫だよ。びっくりした、はは」
蘭ちゃんはギョッとした顔をしていたけど、すぐにまたランチを食べ始めた。
「長谷部、フリなのよね?フリ。ちゃんとわかってんでしょうね」
「・・・わかってるよ。鈴、隣いい?」
「あ、うん。どうぞ」
ん?二人の空気感が少しピリッとしている気がするけど・・・気のせい?
そして十也くんって、こんなに積極的だったっけ?
まあでも、告白されるのがよっぽど嫌なんだよね。私もちゃんと協力しなきゃ。
そのあとも、私たちは普通に3人で話しながらランチを食べていた。


