君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜



「鈴ちゃんは、何も悪くないからね。悪いのは黙ってた俺たちだから」


「・・・どうして・・・なんで黙ってたの?」


「・・・奏に口止めされたんだ。鈴ちゃんには言わないでくれって。・・・アイツもめちゃくちゃ葛藤したと思うんだ。だから、奏の気持ちを汲んでやりたかった」


「そんな・・・」


奏はどれだけ苦しんだんだろう・・・


夢に向かってバスケを頑張っているんだろうと思っていたのに、そのバスケができなくなっていたなんて。


胸がぎゅーっと締め付けられた。


「今も・・・歩けないの?奏は・・・どうしてるの?」


「・・・実は、ついこのあいだ、また手術をしたんだ」


「手術・・・」


「うん、歩けるようになるための手術」


その言葉に、勇也くんを見上げると、さっきまでの申し訳なさそうな目とは違って、力強い瞳が私を見ていた。


「今、アイツ頑張ってるんだ。手術を受けて、まだ歩けるようになったわけじゃないけど、足が動かせるようになって、リハビリを頑張ってる」


「え・・・」


「手術は成功したんだって。あとはアイツの頑張り次第らしい」


「それって・・・歩けるようになるってこと?」