徐々に意味を理解して、更に顔が熱くなる。


「い、嫌じゃ、ない、よ」


恥ずかしくてパクパクとケーキを口に運ぶ。


「ほーら、早く」


先に食べ終わった奏は、私の後ろに座ったかと思うとお腹に手を回し、耳元で急がした。


「わ、わかったから、ちょっと離れてて」


「無理。鈴が可愛すぎるのが悪い」




さっきまでケーキを美味しく食べていたはずなのに、いつの間にか奏のベッドの上。


目の前に見えるのは、いつ見ても整っている顔と、天井だけ。


その首からは、クリスマスプレゼントとしてお互いに買ったペアのリングネックレスがゆらゆらと揺れている。


熱の籠った真剣な瞳に私の顔が映っているのがわかった。



「鈴、俺がいなくても他のやつなんて見るなよ。俺のことだけ考えて」



そんなこと言われなくても、すでに奏でいっぱいだし、他の人なんて目に入るわけない。


奏のネックレスが私の首元にシャランと落ちて、同時に唇が優しく触れる。


ケーキより甘いキスがたくさん降ってきて、胸の奥がキュンと疼いた。


途中から恥ずかしさもどこかに行ってしまい、いつのまにか私も夢中になって応えていた。



一生の別れでもないのに、私たちはずっとくっついたままで、優さんたちが帰宅したことがわかるまで、どちらとも離れようとしなかった。