っ・・・。 胸がきゅっと締め付けられる。 何も知らない人が見たら、カップルが戯れてるみたいに見えるふたり。 なんで。 なんで、ふたりでいるのっ・・・。 少し晴れたと思っていた心のモヤがまた真っ黒で埋め尽くされて行く。 嫌だ。見たくないーーー。 ぎゅっと両手に力が入り、顔を下に向けた時だった、 ポンっ 頭の上に温かい重みを感じて見上げると、十也くんの手が乗っていた。 「大丈夫か?」 その声に鼻の奥がツーンとして、涙が滲んできそうになるのを堪える。