やっと学校の入学式が終わった。あとは帰るだけ。


帰りに買い物でもしようかな。そう考えていたら女子達の悲鳴が聞こえた。


「きゃー〜ーー!」


なんかデジャブを感じるな…。でも私には関係ない。そう割り切り、帰ろうとしたら


「お〜い、ここに地味女はいるか〜?」


さっきのイケメン5人組のうちの1人が教室に入ってきた。


クラスのみんなが私を見る。


え?私じゃないと思うけど…


しかし辺りを見渡しても私のような格好をしている人はいない。


さらに衝撃の一言で私だと確定した。



「あ〜いた〜!そこの地味子ちょっとこっちに来い!」



5人のうちのチャラそうな人が私を見て言ってきた。



え〜、私なの。はっきり言うと面倒くさい。
でも行かないともっと面倒くさいことになりそうだな。


私はその人のところに足を進めた。その間に女子の陰口と睨むような視線を感じた。


「え〜!なんであんな地味なやつが呼ばれるのよ!」



あ〜私の目立たない計画がオワタ。


そしてとうとうその人の前にたどり着いた。


「あの、何か御用ですか?」

私がそう尋ねると私を呼んだチャラ男が反応した。


「うん〜、俺たちに付いてきて欲しいんだよね〜」


は?なんで付いていかなきゃいけないんの?


「何故でしょうか?」


「それはね〜。うちのボスが君を呼んでいるから〜!」


そうチャラ男が答えた瞬間さらに周りが騒ぎ出した。


さらにこんな声も聞こえる。


男子からは


「陸都さんに呼ばれるなんてあいつ何したんだ?
やべえやつかもしんねえから関わらないでいよ!」


女子からは


「陸都様に呼ばれるなんて、あいつふてぶてしいわ〜!痛い目見なきゃわからないのかな?」



なんでこんなに周りは騒ぐんだろう?まず陸都って誰?
それにふてぶてしいって言うけど私はただチャラ男に呼ばれた被害者なんですけど。



周りの声を無視してこのチャラ男は会話を続ける。


「じゃあ俺についてきてね〜」


は?私に拒否権はないの?


「嫌です、付いていきません。」


「君に拒否権なんて、ないんだな〜それが!」


そういった瞬間私を横抱きにし始めた。どんなに離れようと暴れてもびくともしない。


外野もまた騒がしい。


「こらこらお嬢さん〜!暴れないの。怪我しちゃうよ〜。」


誰のせいよ!と心の中で文句を言うが、もう諦めてしまったので何も言わない。
いや、でもやっぱり横抱きは嫌だからそれは解放してもらう。


「横抱きは嫌です!ちゃんと付いていくので離してください。」


「本当に逃げない〜?」


「はい、逃げません!」


そう答えたら離してもらえた。


逃げないといった手前逃げられない。結局私はこのチャラ男に付いて行った。