「ご飯もありますけど、食べます?炊きたてですよ」
炊飯器から立ちのぼる湯気が、お米の素晴らしさを物語っている。
炊き上がったばかりのご飯をかき混ぜながらそう聞けば、
「いや、ハンバーガーあるから」
と、小さな答えが返ってきた。
安いとか言ってた割に、やっぱりハンバーガー自体は好きなんだな。
そんなことを考えながら頷いたわたしは、自分用のご飯をよそって席についた。
「いただきまーす」
すっかり暖まった室内で温かなものを食べる喜びは、最早何にも代え難い。
いそいそと肉じゃがを自分の皿によそったわたしは、
「あ、どうぞ食べて下さい。おかわりもありますから」
と、一向に目の前の料理を見つめ続けたまま動かないハンバーガー男に向かってそう呼び掛けた。
一拍あけて、灰色のキャップを外し、多分一度も染めたことがないであろう濡れた黒髪がさらりと揺れた。
言われるがまま、されるがままに動く彼はまるで機械仕掛けのロボットみたいだ。
ハンバーガー男がゆっくりと箸を手に取り、そっと肉じゃがを自分の皿によそる。
そのまま、薄らと湯気の立つそれを口に運んだ彼は、
「っ、」
分かりやすく動きを止めた。
「味、大丈夫ですか?」
その反応からして、多分大丈夫なのだろう。
炊飯器から立ちのぼる湯気が、お米の素晴らしさを物語っている。
炊き上がったばかりのご飯をかき混ぜながらそう聞けば、
「いや、ハンバーガーあるから」
と、小さな答えが返ってきた。
安いとか言ってた割に、やっぱりハンバーガー自体は好きなんだな。
そんなことを考えながら頷いたわたしは、自分用のご飯をよそって席についた。
「いただきまーす」
すっかり暖まった室内で温かなものを食べる喜びは、最早何にも代え難い。
いそいそと肉じゃがを自分の皿によそったわたしは、
「あ、どうぞ食べて下さい。おかわりもありますから」
と、一向に目の前の料理を見つめ続けたまま動かないハンバーガー男に向かってそう呼び掛けた。
一拍あけて、灰色のキャップを外し、多分一度も染めたことがないであろう濡れた黒髪がさらりと揺れた。
言われるがまま、されるがままに動く彼はまるで機械仕掛けのロボットみたいだ。
ハンバーガー男がゆっくりと箸を手に取り、そっと肉じゃがを自分の皿によそる。
そのまま、薄らと湯気の立つそれを口に運んだ彼は、
「っ、」
分かりやすく動きを止めた。
「味、大丈夫ですか?」
その反応からして、多分大丈夫なのだろう。



