されるがままに、閉められた扉と向かい合わせにさせられ、俺を引っ張り入れた黛に背を向けた状態で押さえつけられる。え、え、と頭の処理が追いつかない俺の片手を扉を利用して拘束する黛は、空いた片手で俺の制服の襟を下へと引っ張った。第一ボタンまで絞め、ネクタイもきっちり絞めているせいか、ほんの僅かだが、首まで一緒に絞められてしまう。いや、それよりも、もっとまずいことが。
「は、な、なに、して、あっ……」
黛の吐息が、晒された項にかかり、大きく肩を揺らしてしまった。心臓がドクンドクンと警鐘を鳴らすように高鳴り、や、やめ、と自由の利く手で黛を押し退けようとするが、背を向けている状態では力なんて入らない上に、触れることすらままならなかった。噛まれるかもしれないことに危機を感じ、オメガの本能が暴れ出す。呼吸が、乱れた。
やめて。黛。噛まないで。黛。やめて。噛まないで。そこを、噛まないで。黛。お願い。
「……まゆず、み、やめ」
「無防備だね、瀬那は。こんな無防備だと、アルファの牙がこの柔らかい皮膚に簡単に食い込んじゃうね。俺以外に噛ませたら、俺は其奴を殺さなきゃならなくなる。俺を人殺しにさせないでね、瀬那」
瀬那、怯えちゃってるんだね。可愛いね。可愛い、瀬那。でも、安心してね。瀬那の許可が下るまで俺は絶対噛まないから。瀬那はまだ俺に噛ませる気はないみたいだけど、瀬那の番は俺だからね。忘れちゃダメだよ、瀬那。俺は瀬那の番だよ。番。項、綺麗。いつ噛ませてくれるのかな。唇で触れるくらいならいいよね、瀬那。
「は、な、なに、して、あっ……」
黛の吐息が、晒された項にかかり、大きく肩を揺らしてしまった。心臓がドクンドクンと警鐘を鳴らすように高鳴り、や、やめ、と自由の利く手で黛を押し退けようとするが、背を向けている状態では力なんて入らない上に、触れることすらままならなかった。噛まれるかもしれないことに危機を感じ、オメガの本能が暴れ出す。呼吸が、乱れた。
やめて。黛。噛まないで。黛。やめて。噛まないで。そこを、噛まないで。黛。お願い。
「……まゆず、み、やめ」
「無防備だね、瀬那は。こんな無防備だと、アルファの牙がこの柔らかい皮膚に簡単に食い込んじゃうね。俺以外に噛ませたら、俺は其奴を殺さなきゃならなくなる。俺を人殺しにさせないでね、瀬那」
瀬那、怯えちゃってるんだね。可愛いね。可愛い、瀬那。でも、安心してね。瀬那の許可が下るまで俺は絶対噛まないから。瀬那はまだ俺に噛ませる気はないみたいだけど、瀬那の番は俺だからね。忘れちゃダメだよ、瀬那。俺は瀬那の番だよ。番。項、綺麗。いつ噛ませてくれるのかな。唇で触れるくらいならいいよね、瀬那。



