あっという間に由良のことが頭から抜け落ち、脳内を黛に占拠される。黛。黛。その時が来るまであと僅かなのに、俺はまた熱を持ち始めた自分を慰めようとしていた。咄嗟に手を止める。ダメだ。ダメだ。まだ許可が降りていない。勝手に触るわけにはいかない。でも。でも。約束を破って悪いことをしたら、黛は項を噛ませたこと以上の仕打ちを俺にしてくれるだろうか。殴って、叩いて、蹴って、絞めて、壊して、殺してくれるだろうか。
異常な性的嗜好が暴走する。まゆずみ、まゆずみ、と妄想で自ら興奮を煽って。気を抜けば触ってしまいそうになる度に、グッと必死に堪える。自由に動いてしまう手を見て、いっそこの手の自由が利かなければ、と歯を食い縛った時、ふと名案を思いついた。そうだ。そうだ。思いついた。縛ればいいのだ。縛ってしまえばいいのだ。黛が以前、そうしてくれたように。生徒会室で、両手を拘束してくれたように。ああ、どうして、すぐに思いつかなかったのだろう。
自室にある制服に、吸い寄せられるように注目する。黛はネクタイで、俺を拘束した。そのネクタイが、ハンガーにかけられたシャツの襟に引っかけられている。ふらふらと歩みを進め、期待に震える手でするすると引っ張り、対象のものを見て。そうして、指示されてもないのに、黛に今の自分の状況と、これからしようとしていることを、説明していた。
「まゆずみ、まゆずみ……、俺、どうしても、触ってしまいそうで……。ひ、一人で、気持ちよく、なってしまいそうで……。だから、まゆずみ、今から、俺、自分で、自分を、縛る、から……。両手、縛る、から……」
異常な性的嗜好が暴走する。まゆずみ、まゆずみ、と妄想で自ら興奮を煽って。気を抜けば触ってしまいそうになる度に、グッと必死に堪える。自由に動いてしまう手を見て、いっそこの手の自由が利かなければ、と歯を食い縛った時、ふと名案を思いついた。そうだ。そうだ。思いついた。縛ればいいのだ。縛ってしまえばいいのだ。黛が以前、そうしてくれたように。生徒会室で、両手を拘束してくれたように。ああ、どうして、すぐに思いつかなかったのだろう。
自室にある制服に、吸い寄せられるように注目する。黛はネクタイで、俺を拘束した。そのネクタイが、ハンガーにかけられたシャツの襟に引っかけられている。ふらふらと歩みを進め、期待に震える手でするすると引っ張り、対象のものを見て。そうして、指示されてもないのに、黛に今の自分の状況と、これからしようとしていることを、説明していた。
「まゆずみ、まゆずみ……、俺、どうしても、触ってしまいそうで……。ひ、一人で、気持ちよく、なってしまいそうで……。だから、まゆずみ、今から、俺、自分で、自分を、縛る、から……。両手、縛る、から……」



